豆腐艦隊の戦闘詳報

2021年着任の中堅(?)提督が日々の艦これのあれこれを書き綴っています

2期着任提督が教える【快適なイベント攻略のための編成構築力】

書き過ぎた……

後日分割して別記事として投稿することも検討しています

気長にお待ちいただけるとありがたいです

 

 

 

 

はじめに

こんにちは。

今回は艦これブラウザ版の24年夏イベ直前ということで、「イベントを快適に攻略する」をテーマに、私がイベントの攻略編成を作る際に考えていることをご紹介します。

非常に長い記事となってしまいましたが、メンテ中の暇つぶしとしていただければ、そして皆さんのイベント攻略の助けになれば幸いです。

豆腐の民って誰?

最初に軽く自己紹介を。

私(提督名:豆腐の民)は2021年3月25日に着任し、現在に至るまでサーバー「岩川基地」でプレイしています。

着任1年半にあたる2022年秋頃から継続戦果とまるゆ掘りを軸とした艦隊強化をしており、さらに翌年23年の夏頃からYouTubeにて配信活動を開始しています。

また戦果ランキングで2度の背景を獲得し、24年2月作戦で岩川サーバーの現環境歴代最高戦果の記録を更新しました。

最近は各種のユーザー大会やユーザー企画に参加するなど、「イベント」「戦果」といった特定のプレイスタイルにこだわらず艦これを楽しむことにも挑戦しています。

「快適なイベント攻略」とは

艦これブラウザ版(以下「艦これ」)は、年2~4回程度の頻度で期間限定海域(イベント)が開催されます。イベントは基本的に複数の海域、各海域の1個ないしは複数の攻略ゲージや輸送ゲージ、さらに各種のギミックから成っています。また各海域を突破した際の報酬群だけでなく、豪華なドロップや高効率なレベリングスポットが配置されることもあり、こちらも目が離せません。

つまり、イベントを迅速に、詰まることなく、すなわち快適に攻略することで、時間を節約し無駄なストレスも受けないようになるだけでなく、攻略の先にある様々なイベントの醍醐味に触れる機会を得ることができる、と言うことができるでしょう。

本題に入る前に

「イベントを快適に攻略する」ということの重要性は理解いただけたでしょうか。

 

さて、ここからは実際にどのように考えて編成を組めばスムーズに攻略することができるのか、ということについて紹介していくのですが、その前に皆さんとある程度の前提条件を共有しておこうと思います。

 

まず最初に、これから紹介する具体例は、私の現在の艦隊状況と艦これのイベント最高難易度「甲作戦」を前提としています。また具体例として挙げるイベントが開催された23年当時は未実装の装備が登場しますが、あくまで「現環境における編成の組み方について解説している」ということでご理解ください。しかし、ここで紹介する考え方の中には甲以外の難易度や通常海域の攻略にも応用可能なものも含まれているので、甲作戦に挑むのは不安、甲作戦なんて難しすぎる、とお思いの方もぜひお読みいただけると嬉しく思います。

 

次に、ここでは「快適に攻略できる編成=出撃1回あたりのボス撃破率が高い編成」を基本的な考え方として採用しています。艦これイベントの大半の海域は、難易度に見合った艦隊戦力さえあれば編成を詰めなくても難なく突破できるように設計されています。したがって、そうした簡単な海域についてはあえて触れないこととし、ある程度編成を詰めないと撃ち漏らす可能性が高くなる海域における編成の組み方について解説していきます。

 

ただし、これから例に挙げる海域を「たいして難しくない」と感じる方も少なくないと思います。しかしそれは「試行回数さえ重ねれば突破できる」と思えるからではないでしょうか。実際、一般的には難しいとされている海域でも、回数さえこなせば突破できるケースがほとんどであることは事実です。が、何度もラスダンを繰り返して資源と時間を擦り減らしながら攻略するのは快適でしょうか?編成を改善することで大きく突破率を上げ、スムーズに攻略できるとしたらどうでしょう?

 

また、この記事内では基本的に「制空権シミュレータ」と「作戦室」というサイトを活用しながら編成を構築する方法を紹介していきます。そしてそれらのサイトに敵編成やその正確なステータスが掲載されるのは海域解放からある程度時間を置いたタイミングです。そのため、この記事はイベント海域解放直後の情報が非常に乏しい時期に攻略を進める方にとってあまり有用ではないと思われます。

 

最後に1点、この記事は実際の編成の組み方(=どういった道筋で考え、艦と装備を組み合わせていくのか)に焦点を当てています。したがって、何を最初に考え、その次に何を考えるのか、という順番も重要なポイントとなっています。各フェーズを行き来して試行錯誤的に編成を構築していくことも可能ですが、決めた順序をなぞりながら編成を構築していくことで時間を節約し、ミスの可能性を減らすことができます。また、編成構築の初期の段階での条件設定を変えることで、全く異なるコンセプトを持つ編成を混乱なく作成することができるでしょう。

 

前置きの時点で既に長文の予感がしていますが、ここからが本題です。昨年夏に行われたイベント【反攻上陸!ノルマンディー上陸作戦】の中から特徴的な3つの海域を例に挙げ、それぞれの海域でラスダンを突破するためにどのように編成を構築すれば良いのかを通して「編成構築力」なるものの内容ついて解説していきます。

 

編成構築例① ~通常艦隊でバカンスネ改に挑め!~ 【23夏 E1-2】

この海域は、E1という最序盤の海域であるにもかかわらずある程度の戦力を投入することが求められた海域でした。特に後段の札情報が判明する前の段階では、ここをどう攻略していくか、判断が難しい場所でした。

(1)攻略に使用するルートを選定する

編成を考える上で、最初にまずどういった戦力を投入し、どの敵と交戦するのかを明確にする必要があります。そこで攻略サイト等を用いて、どのルートが攻略に適しているのかを調べます。ここでは基本的な考え方として「火力投射量を最大化できる」、すなわち弾薬ペナルティーを受けずに最も重い編成を採用できるルートを選択することを考えます。

海域によっては、編成を重くすることで突破が難しい道中戦闘が追加される場合もあるので、そのようなルートは選択肢から外れます。一般的には、そのようなルートはRTA等情報が不足している段階で使用されるものであり、攻略サイトで紹介されているとしても「非推奨」などの注記が付されているでしょう。

E1-2は大きく2つ(「最短」、「準最短」)の攻略ルートがあり、準最短の方が火力投射量を高めることができるのでこちらを選択します。

準最短ルートの編成条件は

 ・戦艦1、正規空母(以下「正空」)0、軽巡1、駆逐2(低速可)

 ・戦艦1、正空0、軽巡1、駆逐1(高速統一)

となっているので、この条件に沿って詳細を決めていきます。

(2)使用する艦娘を決める

艦種の編成条件は決まったので、次に具体的にどの艦娘を使うのかを決めます。

(攻略時期によって特効や札などの情報に制約があることを加味し、さらに友軍も使わないものとして検討していきます)

まず敵のボス編成を確認してみましょう。

画像は筆者の攻略時の録画より。
重巡ネ級改バカンスmodeの高難易度に登場する個体は、先制雷撃を放つ厄介な敵です。
ここでは2隻並んで単縦陣で登場。


ここで考えたいのは、先ほど挙げた編成条件のうちどちらを採用するか。

低速可の編成では現在唯一判明している(という設定の)長門を無理なく採用できますが、軽空母や雷巡を採用できる自由枠が2枠。対して高速統一の編成は長門を採用しにくくなるものの、自由枠が3枠になる上、高速の大和改二を採用すれば昼火力は落とさずに済みそうです。

後段作戦が未実装(という設定)であること、大和の所持数に不安があることなどから考えて、私は長門の採用を前提に低速可の編成を選びます。

 

続いて残りの5隻も決めていきます。

まずは軽巡。敵編成が明らかに手強く、タッチも持ち込めず苦戦しそうですし、ここは潔く矢矧を使ってしまうのが得策でしょう(サブが少ない場合は要検討)。

次に自由枠の2隻。ここは悩む余地があります。長門が弾着を打てば昼でもネ改に刺さる目があると考えると航空優勢は取りたいので、軽空母1隻は確定で良いでしょう。航巡を水戦箱にしても制空値は足りるかもしれませんが、火力減が痛いです。砲撃火力に期待して鈴谷(or熊野)航改二を採用します。夜襲CIや道中での先制対潜を狙って龍鳳改二戊を採用する選択肢もありますが、昼砲撃戦に弱くなるとネ改の砲撃や閉幕雷撃を余計に食らうことになりかねない上、夜襲CIのダメージもCL2頼みで不安定なので不採用に。もう1枠は昼火力を取って軽空母か、それとも夜戦火力が強力な雷巡か。ここは現段階では決めかねるので、暫定的に「熊野(or鈴谷)航改二もしくは北上」としておきます。

最後に駆逐艦。特効情報が不明なので、サブ艦であることを前提に幸運で素のステータスが高い雪風改二・時雨改三が適任でしょう。他の選択肢としては、後の海域の史実モチーフなども加味して考えると綾波や長波などがよさそうです。

(3)制空状態を決める

前項で先取りして触れてしまいましたが、ここで再度、制空状態を決めていきます。

艦娘の選定が終わった今残っているのは、装備構成の検討と支援艦隊の編成の検討です。支援は別途考えるとして、まず本隊の装備構成をどうしたらよいのか考えます。

装備構成は艦毎に個別に検討が可能なことが多いですが、制空に関係する装備は艦隊全体の制空値を見て検討する必要があるため、先んじて決めてしまうのが良いです。ここで制空権シミュレーターを開き、自艦隊と敵艦隊を入力します。詳細は割愛で。

さて、「制空状態」と書きましたが、具体的にはどんな選択肢があるでしょうか。

先ほどの繰り返しですが、この海域は特効のある長門の昼砲撃が強そうです。ネ改を砲撃戦で中破以上の損傷状態に追い込み、非常に強力な単縦陣の昼砲撃や閉幕雷撃を阻止できる可能性があります。そこで、昼砲撃戦で弾着観測射撃が可能となる航空優勢もしくは制空権確保を狙います。ただし制空権確保を狙いつつ軽空母に最低限戦爆CIが可能な構成を維持すると下の画像のような装備構成になってしまい、火力投射量が大きく下がることから、航空優勢に調整した方が良いでしょう。

 

ボスマス航空優勢で調整し、軽空母に艦攻艦戦を1個ずつと艦爆を2個積んで砲撃火力を底上げすると下の画像のようになりました。



ここでポイントになるのが、道中の制空状態も確認するということ。念のため見てみます。

 

杞憂ではなかったようです。道中マスの一部で「拮抗」となっています。

 

E1-2はボス戦での敵の対空砲火が強く、さらに道中で制空値を持つ敵艦隊と2回交戦するため、軽空母のスロット数では全滅率が高くなりがちです。さらにボスマスで航空優勢ギリギリに調整した場合、このように道中で制空権拮抗となり、艦載機が減りやすくなる→ボスマスで全滅しやすくなる→火力投射量の減少という負の連鎖が発生することを考慮する必要があるでしょう。

では道中でも航空優勢を取れるように調整するとどうなるでしょうか。

 

 

このようになりました。艦載機の全滅率を示すマークの色が変化し、全滅率が下がっていることが確認できます(やはり制空権シミュレータは神サイト)

夜戦火力を担う矢矧にも制空を分担させて、可能な限り昼砲撃戦に寄せた構成にしています。また艦載機熟練度の恩恵を安定して受けるために、各空母の1スロ目に対空射撃回避「中」の艦載機を優先的に積んで1スロ目の全滅率を軽減しています(よくわからないという方は調べておきましょう)。細かい部分としては、熊野に対空値で劣る試製陣風を積んでいます。これは高対空の艦戦に積み替えても制空状態が変化せず、装備ボーナスで火力値を上げることができるためです。

前項で軽空母or雷巡の選定を保留していましたが、雷巡を入れると制空を取ることが厳しくなりそうだとわかったので不採用に決定します。

実際は特効装備として隼20戦隊系列の装備が強かったですが、今回は「長門以外の特効は未判明」ということで考慮外。

(4)各艦の装備構成を検討する

制空関連はひとまず決定したので、次にその他の装備を考えていきます。

長門

長門は戦艦のベーシックな装備構成である主/主/徹/偵が良いでしょう。あえて他の装備構成を選択する必要性はないと思われます。増設は最も火力を上げることができる改修済みの三式弾改二がベスト。なければ改修値の付いた高射装置や機銃でもOK。

主砲の選定ですが、これは51cm系統の主砲を2本積むのが良いです。フィット砲補正はマイナスですが、未婚でもキラが付いていれば十分当たります。51cm系統の主砲が足りなければ41cm連装/三連装砲改二などが良いでしょう。

徹甲弾は改修込みで火力が高いものを積めばOK。

そして偵察機ですが、ボス戦は夜戦までもつれるであろうことを考えると夜偵を積んでおきたい所。矢矧に積んでも良いですが、その場合は (3)制空状態を決める に戻って再検討するのがよさそうです。

上で主/主/徹/偵と書きましたが、長門の最大スロットは6機の第三スロットなのでここに偵察機を積みます。

以上を総合すると長門の装備構成はこんな感じになります。

 

●鈴谷/熊野

軽空母の装備構成は前項でほぼ決めてしまいましたが、増設に何を載せるか考えます。所持していれば火力を大きく底上げできる熟練甲板要員+航空整備員を積むのが良いでしょう。射程が長門と被るのが気になるかもしれませんが、肝心の火力投射量は大きく向上します。なければ噴進砲改二などの機銃を。画像は省略します。

 

●矢矧

水戦に1スロット割くことは決めたので、それ以外を決めます。

今回採用する矢矧は運改修を終わらせているので、ここは自信を持って魚雷/魚雷/甲標的の夜戦CI構成を選択。ただし運改修をしていない場合でも、連撃ではあまり役に立たないのでCIをさせるべきでしょう。

増設は水雷隊司令部か水雷戦隊熟練見張員(以下「水見」)で迷いますが、CI発動率を取って見張員を選択。ただし駆逐艦に積む水見が足りなければ駆逐に回しましょう。なければ通常の熟練見張員を。

最終的にはこんな感じ。

 

雪風、時雨

駆逐艦の装備構成は、安定して高い夜戦火力を出すことができる魚雷CIが良いでしょう。

削りは対空CIを使用したり先制対潜をさせたりしてもいいかもしれませんが、ラスダンは魚雷を3本積んでボスを仕留めることに注力させましょう。通常艦隊で対ボスの火力・手数ともに不足している、ということを念頭に置いて考えれば間違えないはず。道中はキラ付けと支援に頼って抜けます。

 

(5)艦隊の並び順を検討する

艦隊の装備構成は前項までで全て決定しましたが、並び順を考える必要があります。並び順は勝率を大きく左右する要素です。出撃本隊の最後の詰めとして慎重に検討していきます。

ここでの並び順の基本的な考え方は以下の4点です。これ以外にも例えばcond値や回避・装甲、雷撃戦、煙幕、特殊砲撃などの要因で並び順が変わる場合もありますが、この海域では考慮する必要性が薄いので省いています。

 ・旗艦は弾着観測射撃や夜戦CIの発動率上昇の恩恵を受けるため、基本的にそれらが発動可能な艦を置く

 ・敵味方双方の砲撃戦2巡目や夜戦の打順を考慮し、高火力な深海棲艦が動く前に味方の高火力艦が動くように配置する

 ・割合ダメージを与える艦は基本的に最後尾に配置しない方が良い

 ・警戒陣を採用する場合は、警戒陣の特徴に応じて並びを検討する

 

これらの考え方と、昼砲撃戦からネ改に有効打を狙うという編成のコンセプトをもとに並び順を考えると、まず砲撃戦2巡目でネ改の昼砲撃を阻止する可能性がある1、2番目は軽空母と長門を置くことになります。そして、軽空母はFBBAの構成で戦爆CIの発動率が高いことを考えると、旗艦は長門、2番目は軽空母のうち火力が高い装備構成になっている鈴谷が適任でしょう。ここで、熊野に持たせている試製陣風などの火力を上げる装備は鈴谷に移す方が良いことに気付くので、装備に若干の変更を加えます。

3番目以降の並びは砲撃戦2巡目への貢献度が薄いため、道中戦闘やボス戦の夜戦を考慮して決めていきます。

道中戦闘については、開幕と砲撃戦1巡目~2巡目の長門・鈴谷の砲撃まででほぼ片付くと思われるため考慮しなくてよいでしょう。

夜戦はどうでしょうか。ネ改以外の深海棲艦が夜戦で攻撃をしてくることは考えにくいことから、「高火力な深海棲艦が動く前に味方の高火力艦が動くように配置する」というのは考慮しなくてもよさそうです。割合ダメージを与える艦を最後尾に置かないという条件から考えると、夜戦CI威力の高い=割合ダメージとなる可能性が低い艦をより最後尾に近い位置に配置するべきであることがわかります。

夜戦に参加しない熊野の位置に悩みますが、昼砲撃戦で割合ダメージが入ったネ改をFBAで無力化する目を考えると6番目が良さそうです。

砲撃戦1巡目の同射程の艦の行動順は完全にランダムではなく並び順の影響を受けることが知られていますが、この記事内では深く触れないことにします。気になる方は調べてみてください。

まとめると下の画像のようになります。

 

(6)支援艦隊を組む

本隊が決まったら、次は支援艦隊を組んでいきます。

支援艦隊は道中・決戦の両方を必要に応じて出すことになります。支援艦隊の概要を軽く説明すると、道中支援は道中の条件を満たす各マスに、決戦支援はボスマスに、それぞれ本隊とは別の艦隊を派遣するシステムのことで、本隊が先制雷撃フェーズを行う前に砲撃支援なら砲撃、航空/対潜支援なら航空攻撃を行います。今回は1出撃毎の突破率を向上させるために両方とも出すことを基本に検討していきます。

本隊は制空権シミュレータを使用して紹介しましたが、支援は作戦室という別のサイトを用いて解説していきます。作戦室の概要や基本操作についてよくわからないという方は調べてみてください。

●決戦支援

決戦支援を考えます。この海域における決戦支援の役割は、次の3つが考えられます。

・駆逐や軽巡を確実に処理する

・ヲ改に有効打を与える

・ネ改に割合ダメージを入れる

支援で確実に敵の数を減らすことでその後の戦闘が有利に進むと考えると、この中で最も重要なのは「駆逐や軽巡を確実に処理する」役割と言えます。したがって、戦艦と空母はツ級を確実に処理する火力と命中を両立させ、駆逐はイ級後期型を処理することを目標にして編成していきます。

最初に採用艦を選定します。決戦支援の妥協はボス戦での苦戦に直結すること、そして私の艦隊は支援主砲があまり強化されていないため、艦自体の強さで補うことが必要になってくることを考えると、燃費の悪化を覚悟して大和型を採用する価値がありそうです。

残りの4隻も燃費より有効打を与えられることを重視して、ネルソン、赤城改二(いれば戊がベター)、雪風清霜を選びます。

次に装備構成です。

本体に彩雲を積んでいないこと、T字不利でも夜戦CIでボスを仕留める目があることから、大和型はツ級エリートをT不利確殺可能な火力253を目安に盛ることにします。

ネルソンは装備が整っていない状態で火力を盛ると命中面が苦しくなるので、最低限の反航ツ級エリート確殺を取れるように主砲3電探2の形に。

赤城もエリツT不確殺まで盛ると命中に難がありますが、ヲ改への有効打の可能性も考えて反航キャップに調整。

雪風清霜は反航/同航の両方を見ながら敵のイ級後期に有効打を与えやすいように調整し、以下の形になりました。

支援の並び順は、よくわからなければ上から火力の低い順に並べればOK。詳細を知りたい方は調べてみてください。

●道中支援

道中支援は、最初に出すべきか否か、また砲撃支援と対潜支援のどちらを出すかを検討します。

E1-2の道中はボス前の敵軽空母との砲戦が少し怖く、潜水マスはありますが弱いため、出すとすれば対潜支援ではなく砲撃支援が良いでしょう。そしてボスマスの昼戦での被弾が非常に多いことから、道中で被弾している場合ではないと考えて道中支援も出すことにします。

ボス前の敵軽空母を詳しく確認すると、輪形陣のため命中はそこまで高くないものの、砲撃火力は高く、さらに射程中となっており砲撃戦の早い段階で動く可能性が高いことがわかります。この敵軽空母の砲撃を阻止したい場合は昼砲撃戦の2,3撃目などでは手遅れになるので、やはり支援を含む開幕の手数を稼いで敵の随伴を減らしておくのが得策のようです。

陣形については全く触れてきませんでしたが、今回は道中砲撃支援を出すことにしたので、道中の水上戦マスは単縦陣が良いでしょう。

次に採用艦の検討です。

この海域の道中支援はボス前マスの随伴駆逐が主な標的となるため、決戦支援ほどの質を求める必要性は薄いでしょう。したがって、戦艦枠は燃費を重視して火力と命中をある程度担保できるウォースパイトやコロラド級、第三改装を済ませた金剛型などが有力な選択肢になるでしょう。私の艦隊ではウォースパイト、金剛改二丙、榛名改二乙が適任そうなのでこの3隻に決めます。

空母は強化済みの飛龍改二がいれば燃費も比較的軽く強力ですが、燃費差が戦艦ほど大きくないこともあり、今回は火力も命中も盛りやすい加賀改二(赤城改二戊などが採用できればベター)を使います。

駆逐はまだ使っていない艦から支援適性の高い(装備込みの火力命中が高い)艦を順番に選べばOK。ここでは雪風(本隊や決戦支援の雪風とは別個体)天津風を選択。天津風は一般的には初月や時雨等の有力艦に支援適性で一段劣りますが、私の艦隊での練度差を考慮しての採用です。

支援に綾波や夕立などの増設電探が積めない駆逐や火力に不安がある駆逐を使うのは基本的に避けた方が良いです。キラが付いていないなら付けましょう。

装備の考え方は決戦支援で説明したので割愛。戦艦空母は反航フラヌ確定中破となるように調整し、駆逐は敵の後期型駆逐を見ながら命中・火力を両立できるラインに合わせていきます。

こんな感じ。強くはないですが最低限の仕事はこなしてくれるでしょう。

 

(7)実戦での留意点を確認する

本隊・支援ともに組み上がりましたが、ここで再度、実際の出撃時に注意すべき点を確認します。具体的には、

 ・出撃時のcond値(=キラ状態か否か)

 ・各マスで選択する陣形

 ・出撃時の熟練度

 ・熟練度保持をするか否か

(・煙幕はどのマスで使用するのか)

(・基地航空隊をどのマスに派遣するのか)

などを確認し、本来機能するはずの編成が機能しないということがないようにします。

これは「編成構築」に含まれないのではないか?と思われるかもしれません。が、こうした事柄を一切気にせずに出撃するとしたらどうなるでしょう?編成を詰めた意味がなくなってしまいますよね。

熟練度やcond値といった要素は、戦闘内容と密接に関係しています。したがって、そうした条件を整えることも「快適に攻略できる編成を組む」上で欠かすことはできません。

さて、E1-2は通常艦隊で攻略し、道中は空襲、潜水、通常、通常と進みボス戦は5戦目にあたります。もしcond値49(疲労を完全に抜いた非キラ状態)で出撃した場合、詳細は省きますが、道中の全マスでS勝利を取ればボス戦で全艦キラ状態となります。しかし空襲マスでカスダメを受けたり潜水マスで反航戦などを引いて撃ち漏らせばボス戦でキラ状態にならない艦が生まれ、無駄な被弾が増えて勝率を下げる原因になるでしょう。また道中で被弾する可能性も考慮する必要があります。そのため本隊は全艦をキラ状態にして出撃することにします。支援は道中・決戦ともにキラを付けます(他の選択肢はありません)。キラ付けよりも、ボス撃破に失敗し突破までの出撃回数が増えた場合に使った資源を集めなおす方が圧倒的に面倒です。

一例として、私は攻略を急がない場合、燃費の重い戦艦空母に間宮伊良湖をまとめて使用し、駆逐艦などは1-5でキラを付けています。

熟練度は100~120を前提に制空値を調整したので、もし剝がれていれば付け直します。E1-2は艦載機の全滅率が高く、特に流星改(一航戦/熟練)などは熟練度が剥がれると非常に面倒なことになるので、ラスダンでボスを打ち漏らした場合は熟練度保持をします。

選択する陣形は、通常戦闘マスは単縦陣、空襲マスは輪形陣で良いでしょう。潜水マスは単横陣か警戒陣で迷いますが、ボス戦を考えるとここではカスダメも食らいたくないので微差ですが警戒陣が良さそう。

 

以上のことを踏まえて出撃します。

 

〇編成構築例① まとめ

この例では通常艦隊で基地航空隊を使用できない海域の編成の組み方を通して、基本的な本隊と支援の編成の考え方を解説しました。

大まかな流れと主要なポイントをまとめると以下の通りです。

 (1)攻略に使用するルートを選定する

    ・・・火力投射量を最大化できるルートを選ぶ

 (2)使用する艦娘を決める

    ・・・他海域の採用艦や温存すべき艦を除いて考える

       各艦の役割をイメージしながら選定する

 (3)制空状態を決める

    ・・・弾着観測射撃の必要性、制空権確保の実現性を考える

       道中の制空状態も見る

       艦載機全滅率を下げる工夫をする

 (4)各艦の装備構成を検討する

    ・・・まずはベーシックな構成に倣う

 (5)艦隊の並び順を検討する

    ・・・敵の攻撃順を先取りする

       旗艦と最後尾の特徴を利用する

 (6)支援艦隊を組む

    ・・・メインターゲットを明確にする

       道中支援の必要性を判断する

 (7)実戦での留意点を確認する

    ・・・cond値、熟練度、陣形選択などを明確に決める

 

この順番に沿って検討を進めていくことで、試行錯誤的な編成検討を避け、1つの定まったコンセプトを持つ編成を組み上げることができるということがおわかりいただけたと思います。実際には、戦闘結果や周囲の評判などを参考に編成を変えるケースも多いですが、その場合は(1)~(7)のどの段階で違いが生じているのかを意識するとよいです。例えば (4)各艦の装備構成を検討する の段階でミスがあった場合は、(3)以前の検討過程に関しては基本的にやり直す必要はないでしょう。しかし (2)使用する艦娘を決める の段階でミスが発覚した場合は、(3)以降の各段階を必要に応じて順に再検討することになります。このように検討の流れを一方通行とすることで、改善点の少ない編成を白紙に戻してしまったり、再検討すべき箇所を見過ごしたりすることを防ぐことができます。

 

 

編成構築例② ~航空戦力で圧倒せよ!~ 【23夏 E4-2】

次は連合艦隊や基地航空隊を活用する海域について見ていきます。例として挙げるのは23夏イベE4-2。闇レンジャーが立ちはだかり前段の沼ポイントとなっていた海域です。

(1)攻略に使用するルートを選定する

この海域は基本的に1つのルートが攻略に使われており、海域解放から時間が経つにつれて有用な編成条件が判明していきました。

ここでは海域解放から日が浅い段階を想定し、

 ・戦艦1、正空4、軽巡

  軽巡1、駆逐3、自由2 空母機動(低速可)

の条件を前提に考えます。

(2)使用する艦娘を決める

現段階では伊勢型・扶桑型、一部の日本駆逐の特効が判明しているものとし、他の海域や次のE4-3と特効艦が重なっていることも考えながら選定します。

後段は未開放であり、伊勢型改二を温存することを考えると、戦艦枠は扶桑型のどちらかがよさそうです。山城は輸送ゲージで既に使ったので、扶桑を採用することに決まります。

空母4隻は悩みどころですが、現段階では同じ札を使う後続のギミックで高速+が必要とされているため、赤城加賀を後段に温存しつつ高速+化が容易な翔鶴、瑞鶴、大鳳の3隻は採用するのが無難でしょう。残り1枠はサブのイントレピッドで人数を揃えます。

第一艦隊の軽巡枠は対空CIや昼連撃をさせてもラスダンでは有効性が薄そうです。制空も厳しそうなので水戦を持たせるのが無難であり、また空母の打順を下げないようにと考えると射程短の水戦軽巡が適任でしょう。球磨は既に使ってしまったため多摩を採用。より役割の多い由良は温存します。

第二艦隊の軽巡枠は矢矧。先ほどのE1で運改修済みのサブ矢矧は使ってしまったので、メインを後段に残すためにここは運未改修の矢矧に頑張ってもらうことにします。

駆逐3隻は史実艦のうち次のE4-3で採用予定のない朝霜、響、沖波を選択。日本駆逐を後段に過剰に温存する必要はないという読みでの判断です。

最後に第二艦隊の2枠の自由枠ですが、片方は夜戦火力を買ってサブの北上。もう一方は選択肢が多く悩みますが、ここは削り時の対空CIの採用を狙って摩耶を採用することにします。

(3)基地航空隊を編成する

例①では、 (2)使用する艦娘を決める の直後に(3)として本隊の制空状態を決めました。しかしこの海域では基地航空隊が使用できます。基地航空隊は本隊の航空戦の前に敵機と交戦し、その際の制空状態に応じて敵機の機数を減らし制空値を下げる、すなわち本隊の要求制空値を下げることができます。そのため、本隊の制空状態を決めるのに先立って基地航空隊の編成を定めておくのが流れとしてスムーズです。

基地航空隊の機能として「本隊の要求制空値を下げる」ことを挙げましたが、それと同時に、基地航空隊は砲撃戦より前に敵艦隊にダメージを与える先制攻撃の手段でもあります。つまり、基地航空隊はこれら2つの機能(ここでは仮に「制空」と「先制攻撃」と呼ぶ)を天秤にかけて編成していくことが重要なポイントとなります。

このことを踏まえて、今回出撃させることができる2部隊×4機の計8枠の基地航空隊の編成について具体的に考えていきます。基地航空隊はボスマスだけでなく道中にも派遣したり、防空をさせることもできますが、特にある程度の難易度のある海域のラスダンでは、よほどの理由がなければボスマスに全部隊を送ること以外は考えなくてOKです。

試行錯誤的に編成を考えても問題はないのですが、何か予め定められる条件はないでしょうか。初めに敵編成を確認します。

上に示したラスダンの敵編成のうち、基地航空隊で主に敵艦隊への攻撃を担う陸攻で有効打を与えることができる敵は何隻いるのか考えてみます。まず第二艦隊に並んでいる駆逐と軽巡は対応可能でしょう。そして第一艦隊を見ると、軽空ヌ級改と戦艦棲姫が2体ずつ並んでいます。ヌ改は強力な陸攻を当てれば撃破可能性があり、戦艦棲姫は陸攻に弱い(詳細は割愛)ためこれも有効打を狙えます。つまり、E4-2のラスダンに登場する12隻の敵のうち10隻は陸攻で有効打を与える可能性があることになります。また軽巡ト級などの高い対空能力を持つ敵が存在しないため、「陸攻がほとんど落とされてまともに攻撃ができない」といった状況を心配する必要はないと思われます。そのため、基地の「先制攻撃」の役割はこの海域において重要である、と理解できるでしょう。

E4-2のボスマスに基地航空隊を派遣するために必要な戦闘行動半径は8であり、それを満たす陸攻は多くありません。7以下の機体であっても二式大艇やカタリナ、陸偵、彩雲などを用いれば派遣することはできますが、延長用の機体に枠を取られて陸攻の数が減り、結果として「先制攻撃」の役割を果たすことが難しくなります。

また基地航空隊の「制空」についても考えます。E4-2のボスマスは強力な空母である闇レンジャーと2隻の軽空ヌ級改が出現するため、陸攻や陸偵のみで制空権喪失から抜け出すのは不可能でしょう。また、戦闘行動半径8以上の陸軍戦闘機・局地戦闘機艦上戦闘機などは実装されていないため、「制空」という役割を果たすには、必然的に同一の航空隊内に延長用の機体と制空用の機体を両方含めることになります。したがって、仮に2部隊の両方に「制空」の役割を付与するならば、各中隊に最低2機ずつ計4枠以上を「先制攻撃」への貢献度が薄い機体で埋めてしまうことになります。

ここで、私の陸攻のうち半径8以上のものは次のようになっています。

これらのうち、比較的強いといえる陸攻は、一式陸攻(野中隊)★8、同★9、銀河★6、銀河(江草隊)の計5機です。そこで、もし基地航空隊を2部隊とも「制空」を諦め「先制攻撃」に振った場合、決定力に欠ける機体を最低3機混ぜる(もしくは延長用の機体を使い手数を減らす)ということになり、良い選択肢ではなさそうです。逆に2部隊とも「制空」に振った場合は「先制攻撃」の手数が半減してしまうということになりこれも良い選択肢ではなさそうです。

このように考えると、今回は2部隊のうち片方で最低限の「制空」を担うようにし、もう一方で「先制攻撃」を主に担うのがベターだということが考えられます。

長くなってしまいましたが、ここで実際に制空権シミュレータを開き決めたコンセプトに沿って基地航空隊に機体を配置してみます。

 

 

部隊ごとに「制空」と「先制攻撃」という役割が明確になりました。また、「制空」を主に担っている部隊も、戦闘機だけを積み増すのではなく陸攻を2機含めることで、全体として「先制攻撃」に寄った編成としています。

画像の1部隊目のように、最低限の「制空」の役割、すなわち制空権喪失を脱して劣勢を取るような構成は、一般に「劣勢調整」と呼ばれており、本隊の要求制空値を下げながら先制攻撃も担えることから、多くの場面で推奨される形になっています。

劣勢調整の効果としては、他にもその部隊に配備されている陸攻の全滅率を下げること、陸偵などの装備を配備している場合は触接が発生する可能性があることなどもあります。

今回は2部隊のうち片方のみ劣勢調整しましたが、一般的な形に倣うのであれば2部隊とも劣勢調整することになります。

(4)本隊の制空状態を決める

基地の構成が決まったので、続いて本隊に移ります。ボスの装甲が高く夜戦までに敵随伴艦を落としきって的を絞りたいので、空母4隻を昼砲撃戦で存分に殴らせるために、まずは各空母に艦攻や艦爆を計3機ずつ積んで戦爆CIの条件を満たしながら航空優勢を維持できないか考えながら艦載機を載せていきます。また扶桑は主/主/徹/偵の「偵」の部分を瑞雲で代用し制空も担うようにします。

よくある沼装備として、戦艦に主砲/主砲/徹甲弾/水戦のような装備構成を見ることがありますが、水戦は水偵や瑞雲などの水爆(水上爆撃機)と違い弾着観測射撃のトリガーとならないことに注意が必要です。

 

 

このように、彩雲を積みながら空母の火力を大きく落とさずに優勢を取ることができました。彩雲に1枠取られている大鳳はFBAの構成が作れないですが、艦爆を2個積むことでBBAカットインの条件を満たしています。

艦爆は各自の手持ちの装備による差が大きいため人により組み方が大きく変わりますが、一例として砲撃戦火力の低い爆戦を使い制空を調整しています。反航でも勝ち目があると考えて彩雲を積んでいますが、そもそも同航を引かないと厳しそうな場合は艦戦に変え、低火力の爆戦を降ろして砲撃戦火力を盛る方が良いでしょう。

また翔鶴型は「改二」での採用が強い海域です。ボスの敵陣形が第三警戒航行序列であり被弾がそこまで多くないため、改二甲のメリットが薄く、さらに改二の大きいスロット数を活かして艦載機の全滅率を低く抑えたり制空値を盛ることができる恩恵が大きいです。

例①では軽空母2隻での制空調整だったため、手持ち装備が似通っていれば早い段階で似通った構成に到達できると思います。しかしこの例のように空母の数が増えてくると、艦載機の積み方のバリエーションも注意すべきポイントの数も膨れ上がるため、試行錯誤の過程で時間が掛かったりミスが増えたりすると思います。そういった状況でも致命的な編成ミスをしないためには、まず以下の点を意識するところから始めてみてください。

 ・全滅率がわざと高くなるような構成になっていないか(大スロットに艦戦NG)

 ・隊長機の艦載機熟練度の恩恵を意識できているか(1スロ目に艦戦NG)

 ・制空値はギリギリ過ぎたり過剰だったりしていないか(優勢率8割未満などはNG)

 ・戦爆連合CIが発動可能な構成を維持できているか(艦攻1艦戦3などはNG)

よほど装備が足りていないのでなければ、大体の海域でこれらを意識する余裕はあるはずです。また、ルートの選定まで戻って再検討することでこうした問題を回避できる場合もあります。

そして上で示したようなことが自然にできているという方は、以下のようなことも考えてみてください。

 ・少しだけ制空を盛ることで道中突破率や艦載機全滅率を改善できる可能性はないか

 ・各空母の砲撃火力はアンバランスになっていないか(増設に何を載せるかも意識)

 ・空母以外に制空を任せて空母の火力をさらに伸ばす余地はないか、逆に空母以外に制空を任せすぎていないか

 ・各空母の装備ボーナスや各機体の開幕火力・対空射撃回避補正・触接への恩恵などを意識して積み方を最適化できているか

 

艦載機の積み方は非常に奥が深く、多くのことを同時に考えながら素早く組むのには慣れが必要ですが、一度覚えれば必ずイベント攻略の助けになります。ぜひ皆さん自身で挑戦してみてください。

 

(5)各艦の装備構成を検討する

例①と重複する部分や空母の装備は割愛して、まずは決めてしまって良さそうな部分だけ反映するとこんな感じ。

 

決めかねるのは矢矧の4スロ目と摩耶の装備です。

まず第二艦隊全体を見ると夜偵を載せていないので、どこに積むか考えます。練度で発動率が変動することを考えると摩耶に積むのが良いでしょう。

索敵5の夜偵を持っているならLv125以上の艦に載せて発動率を100%にできるので、基本的にはその形を取りたいです。今回は妥協しますが、明確に編成の弱点となっています。甲作戦を毎回安定して突破することを考えるのであれば、偵察機を積むことができる巡洋艦などはまずLv125を基準と捉えて計画的に育成しましょう。

さて、ここで当初摩耶を採用した理由を思い出すと、「削り時の対空CIの採用を狙って」ということしか決めていないので、ラスダンでの役割を別に考える必要があるでしょう。摩耶以外の5隻が既に夜戦火力を担っていますが、摩耶にも夜戦火力を期待するべきでしょうか?

現状の編成案では甲標的を持っている矢矧北上、そして特効艦として採用している駆逐3隻の計5隻が夜戦火力を担っています。特効の見つかっていない摩耶にまで夜戦火力を担わせる意義はあまりないと考えるべきでしょう。

では他にどのような役割を持たせるとよいでしょうか。

ここで道中の敵の様子を確認すると次のようになっています。

 

 

特に2戦目の潜水マスと3戦目の通常戦マスは手強いため対策を考えたいです。具体的には、どちらかのマスで煙幕を張り、もう一方のマスは支援なども活用して突破率を上げるのが良いでしょう。そして3戦目の敵は電探を持っていないので、昼砲撃戦の煙幕の効果が大きそうです。煙幕を使用すると味方の防空能力は大きく低下します(詳細は省略)が、どのみち敵空母を枯らすことは難しいのでそこまで気にはならないでしょう。3戦目で煙幕を使用し、2戦目は対潜支援を活用して被弾率を下げるというのが良さそうです。

ここで矢矧の4スロ目と摩耶の残っている3個のスロットの役割に話を戻してみます。

まず矢矧の4スロ目については、

 ・発煙装置

(・1スロ先制対潜をすることを前提にソナー)

 ・照明弾(探照灯は被弾リスクを考えて除外)

 ・魚雷など夜戦火力を増す装備

などが挙げられます(今回採用する矢矧は1スロ先制対潜ができないためソナーは除外)

摩耶については、

 ・発煙装置

 ・照明弾・探照灯

などが考えられます。電探を持っている敵や先制雷撃が絡むと煙幕を厚く張ることが重要になってきますが、今回煙幕を使用するマスでは考慮しなくてもよいため、最低限の1重以上の発動率が100%になるように必要な個数だけを考えます。

煙幕発動率は、発煙装置の種類(改or改じゃないほう)や改修値、(連合艦隊なら第一艦隊の)旗艦の運の影響を受けます。そこで、煙幕の必要個数を決めるために最初に第一艦隊旗艦をどの艦にすべきか考えると、運53の瑞鶴が最適です。が、運は3低いものの練度が上がり切っていないため回避に不安があるイントレピッドを見ると、これを旗艦に置くのが良いと考えられます大鳳も回避に不安はありますが運の差が大きい)。煙幕発動率の検証に関して詳細に詰めていく場合は最新の情報を追うのが良いですが、今回は制空権シミュレータの機能の一部を使って調べましょう。

まず私の手持ちで最も発動率を高められると思われる発煙装置改★2を積んでみると、このように1重と2重の発動率が計100%となっていることがわかります。

 

発煙装置のアイコンの右に書かれているのが推定発動率。
1重、2重、3重の発動率がそれぞれ表示されています。


煙幕には1個のスロットだけを割けばよいことが分かりました。煙幕の改修値は昼砲撃戦や夜戦の火力にも効果があることを考えて、矢矧の4スロ目に積みます。

消去法的に、摩耶の装備は照明弾や探照灯が良い、となりますが、それだけではスロットが余ります。発煙装置を積み増すのもアリですが、他の役割を付与できる可能性はないでしょうか?

例えば、摩耶には夜偵を積むと決めたので、ここに主砲を2本積むと夜戦装備が1枠削られる代わりに昼夜連撃が可能になります。空母機動部隊での攻略ということを考えると、昼砲撃戦で重巡が連撃を発動した場合、道中1戦目では重巡リ級、ボス戦ではナ級elite、ツ級elite等の深海棲艦を排除することが狙えるでしょう。それによって味方の駆逐の被弾率を抑えられるというメリットがあります。また夜戦まで大破せずに生存していればボスに割合ダメージを2発与える可能性があり、これもメリットと言えます。そのため、ここで主砲を2本積むという選択肢も新たに加えることができます。

夜戦装備を採用する恩恵について考えると、ここでは探照灯の方が照明弾より優先して採用すべきでしょう。探照灯は発動した艦の回避低下や被タゲ率増というデメリットがありますが、各艦の夜戦CI発動率の上昇幅で照明弾に勝る上、今回は夜戦火力に期待しない摩耶に積むためデメリットがあまり気になりません。

以上のことから、最終的な装備構成の案は次のようになります。また装備構成と同時に、第一艦隊の旗艦はイントレピッドということも先取りして決めています。

また検討事項から外れていましたが、摩耶の装備例の検討過程で示したようにこの海域では第二艦隊の昼砲撃の火力を上げることも有効なため、D砲を用いた主魚電CIを、同装備の装備ボーナスが大きい夕雲型駆逐に採用することも一考の余地があります。一般的に夜戦の安定感とトレードオフなので慎重に検討しましょう。

 

潜水マスを考えて駆逐に1スロ先制対潜をさせたくなるかもしれませんが、そもそも無傷のフラソにソナー1個積みの対潜火力で有効打を与えるのは難しく(ただし今回は対潜支援を出すことから、小破したフラソを大破に追い込むなどは交戦形態によっては十分狙えると思いますが……)、さらにボスは装備込みで装甲300を超えている闇レンジャー。確実に仕留めきることを意識したいです。例えば特効艦の魚雷CIでCL2を1回だけ引いた場合を考えてみると、魚雷を1本積み増したことによる素の夜戦火力の増分(ざっくり15程度)にCI倍率とCL2補正、さらに特効倍率も加わってトータルで約2.5倍~(厳密な計算ではなくあくまで概算値)もの補正が掛かり、2回判定のある魚雷CIのうち1回の判定だけで考えても与ダメージに最大40前後もの差が出ることがわかります。この差は勝率に大きく影響するでしょう。潜水マスでの被弾が増えることを差し引いても、魚雷を採用する価値が十分にあるということが理解いただけるでしょうか。

 

(6)艦隊の並び順を検討する

これも例①でポイントを示したので割愛。

第一艦隊の旗艦は決めたので、ポイントに従ってそれ以外の部分を詰めます。(5)の最後に示した画像からほとんど変化がないため省略。

 

(7)支援艦隊を組む

例①と明確に異なるのは、仮想敵の違い、道中に対潜支援を送ること、そして「彩雲を採用したためT字不利を考慮する必要がない」ということです。ただし検討過程は似たり寄ったりなので省略し、編成例のみ提示します。

まず決戦支援はこんな感じ。

後で気付いたけど陣形の設定をガバってますね……

計算結果には影響がなかったのでそのままにしています。

 

 

ここでは戦艦空母の仮想敵をツ級eliteとしました。第一のヌ改を落とせる可能性を考えると反航キャップ程度まで火力を積み増すことにメリットがありますが、命中との両立を考え断念しました(この例だと空母だけでも意識した方が良かったかも。戦艦に関してはさらに上級者向け、もしくは大和型支援の採用などが前提となる検討事項です)。

 

対潜支援はまずカ号が足りていない場合開発から始めましょう。必要数を揃えるのは難しくないはず。

艦の選定は、まず駆逐はサミュエル・B・ロバーツの改二がいれば採用、もう一枠は誰でも大丈夫です。空母は回転翼機や対潜哨戒機が搭載可能な軽空母(と加賀改二護など一部の正規空母)の中から、搭載数が強い艦を採用。対潜支援には艦の火力や練度、運、素対潜値、艦の並びなどは関係ないので考慮しなくてOK。編成例はこんな感じ。海外製の上位爆雷を効果的に使う例もありますが、基本的には回転翼機と対潜哨戒機で染めれば良いでしょう。画像では隼鷹改二を編成していますが、搭載数のバランスが良い隼鷹改の方が良いです。簡単に作れるので準備しておくと便利でしょう。加賀護はスロットが全体的に小さめなので、スロットが大きい他の軽空母に変更するのも良いでしょう。

 

 

(8)実戦での留意点を確認する

ようやく最後の詰めに入ります。例①と重複するものは割愛し、新たに考慮すべき点に絞って解説していきます。

まずcond値について。例①は通常艦隊での出撃でしたが今回は連合艦隊のため事情が大きく異なってきます。すなわち、連合艦隊は通常艦隊と違い、戦闘開始前のcond値が50以上で戦意高揚(キラ)状態の恩恵を受けることができるので、これを考慮する必要があります。

具体的には、初戦の重巡リ級などが出現するマスは確実にS勝利を取ることができますが、仮にcond49で出撃した場合、次の潜水マスで全艦キラ状態で戦闘に入ることができます。しかしこの潜水マスでB勝利以下になると次の3戦目ではキラ状態でなくなります。しかしこの潜水マスには対潜支援を送っているため、下振れを引かなければA勝利は取れる→3戦目でもキラ状態で戦闘に臨めるでしょう。

このように考えると、この海域では初戦の若干の被弾率の増加と引き換えにキラ付けを省略しcond49で出撃するのが良いと考えられるでしょう。

また、熟練度に関しては基地航空隊も気に掛ける必要があります。これについて詳細に解説する必要はないでしょう。

選択陣形も特に変わったことをする必要はないのでスルー。道中3戦目で回避が若干上がる第二陣形を選ぶという選択肢もありますが、ここはお好みでOKでしょう。

 

〇編成構築例② まとめ

この例では連合艦隊で基地航空隊を使用できる海域の編成の組み方を通して、新たに基地航空隊を含む制空調整や煙幕、対潜支援等の活用などについて解説しました。

大まかな流れと新たに追加したポイントをまとめると以下の通りです。

 (1)攻略に使用するルートを選定する

 (2)使用する艦娘を決める

 (3)基地航空隊を編成する

    ・・・基地航空隊の2つの役割を意識する

 (4)制空状態を決める

    ・・・艦載機の積み方に気を付ける

 (5)各艦の装備構成を検討する

    ・・・道中対策は過不足なく行う

 (6)艦隊の並び順を検討する

 (7)支援艦隊を組む

    ・・・対潜支援を使ってみよう

 (8)実戦での留意点を確認する

    ・・・連合艦隊の特徴を利用する

 

 

 

編成構築例③ ~特殊砲撃、発動!~ 【23夏 E6-3】

最後の例として、特殊砲撃を活用して攻略する場合の編成について見ていきます。E6-3は敵の旗艦だけでなく随伴艦にも装甲・耐久共に高い深海棲艦が登場します。またこのイベントで新登場だったSchnellboot小鬼群も配置され、さらに特殊な編成条件が設定されるなど、編成を考えるうえで考慮すべきことが多く組み甲斐のある海域といえるでしょう。

前提条件として、ここも海域解放から数日後、揚陸艦などを複数編成するルートの編成が出現し、特効艦も少しずつ明らかになり始めたくらいの時期を想定して考えていきます。

(1)攻略に使用するルートを選定する

道中の難易度を考えると、

 ・戦艦2、空母2、揚陸2

  軽巡1、揚陸1、補給1、巡洋艦等1、駆逐2 空母機動(低速可)

の潜水空襲マスを経由するルートが良いでしょう。

 

(2)使用する艦娘を決める

戦艦枠は特殊砲撃を放つことができ強力な大和、武蔵で確定して良いでしょう。ただし私の艦隊ではメインの大和をE7-5に投入したいと考え、E6-3ではメイン武蔵・サブ大和という採用の仕方をとることにします。

空母は特効がありそうで、かつ搭載数が多いサラトガ、イントレピッドが良さそうです。

計3隻の揚陸艦は選択肢がほとんどありません。神州丸、熊野丸、あきつ丸を採用します。

補給艦ですが、道中の敵潜の攻撃を受ける可能性や、道中4戦目のヌ改マスで第二艦隊から砲撃戦が始まることを考慮して、回避や装甲が比較的高い宗谷が適任でしょう。

軽巡は満を持してメイン矢矧を投入。

自由枠は、特効が詳しく判明していない現段階では雷巡が無難に強いでしょう。

駆逐枠は特効に期待してジャーヴィスとジェーナスを採用します。ジェーナスは大特効をもらっている読みでの採用なので、もし期待通りでなければ温存している雪風を投入することも頭に入れておきます。

 

(3)基地航空隊を編成する

この海域は制空が比較的取りやすく、さらにボスマスの戦闘行動半径も3と非常に短いため、基地は最低限の劣勢調整をしつつナ級処理ができるように対駆逐の手数・火力を意識して組んでいきます。

また欧州イベントであるということで、海外の陸攻などに特効がある可能性も加味して組んでいくのが良いでしょう。ただし詳細な倍率等はまだ判明していないので、基本的には素のスペックが高い機体を並べていきます(特効が詳細に判明した後の段階ではこの限りではないです)

ここでボスの敵編成を見てみます。

一般的な陸攻で有効打を与える可能性があるといえるのは、敵の駆逐軽巡、Sボートまでです。戦艦夏姫は対戦艦で強力な陸攻であるDo 217 K-2+Fritz-X(フリッツ)や素のスペックが極めて高い四式重爆 飛龍(熟練)+イ号一型甲 誘導弾(熟練誘導弾)であれば有効打が期待できるでしょう。

またボスマスには非常に高い防空能力を持つ軽巡ト級flagが登場するため、陸攻や空母の艦載機の全滅率を気にしつつ編成を考えていくと良いでしょう。

こうしたことを考えながら陸攻を選定していくと、私の手持ちではこのような感じになりました。

 

 

制空能力の高い20戦隊熟練と65戦隊を用いることで、対駆逐の手数を減らさずに劣勢調整をしています。65戦隊を2機持っているなら20戦隊熟練を置き換え、劣勢調整を維持するために例えば銀河(江草隊)の枠を飛龍★MAXに変更するといった調整を行うのも良いでしょう。B25は対空射撃回避補正がなく全滅率が高いですが、敵の駆逐軽巡を相手にした際の大火力に賭けて採用。半径3ということで、「届けば強い」と皮肉交じりに言われることもあるキ102乙改+イ号一型乙 誘導弾も強力です。素のスペックだけで考えた場合、キ誘導弾や熟練誘導弾が残っているならB25より優先して採用する価値があると思われます。フリッツは戦艦夏姫への有効打が狙えるため強いですが、敵の駆逐軽巡を安定して処理することだけを考えるなら他の上位陸攻に劣る場合があります。この海域では特効への期待も込みで、各部隊に1機までは採用し得です。

陸攻は各自の手持ちだけでなく、選び方、さらに言えば並べ方によっても有効性を上げることができます。近年は素のステータスが高い機体だけでなく、敵の特定の艦種を相手にした場合に命中や攻撃力に補正が掛かり強力な機体も増えています。自分の手持ちの機体の特徴を理解して「刺さる基地」を組んでいきましょう。

 

23夏イベ以降、強力な陸攻の配布機会が続いたため、当時と比べて相当強い基地を組めるようになっている方も多いと思います。

 

熟練度をしっかり付けることを前提に組んでいます。仮に熟練度なしで考えた場合、制空面も攻撃面も非常にシビアになり、明確に勝率を下げる要因となります。ある程度の難易度のある海域のラスダンでは、基本的に基地の熟練度を付け、熟練度保持をするという前提で考えたいです。

 

(4)本隊の制空状態を決める

さて、基地はどうにか組み上がったので本隊の装備構成を決めていきます。まずは制空状態から。

この海域は(3)でも述べたようにボスの敵制空値が高いわけではないので、複数の選択肢がある可能性を念頭に置いて検討していきます。

まず第一艦隊にそれっぽく艦載機を積んでみるとこんな感じ。制空権確保を現実的に狙えそうです。また艦載機の枯れ率が高く出ているのがわかると思います。

 

 

ここで道中の制空状態も確認するとこんな感じ。

 

 

初戦の潜水マスとボスマス以外は優勢となってしまっています。

ボスマスのフラトだけではなく、道中で制空権確保が取れていないことも艦載機全滅率上昇の原因になっていそうです。

制空権シミュレータに入力した道中の敵編成を確認してみると、すべてのマスで最も強い(制空値が高い)編成が出現することになっています。ところが、実際はどうでしょう。KCNavなどを使ってラスダンの道中の敵編成を確認してみると、ラスダンにおいても2戦目の潜水空襲マスや3戦目の空襲マスに弱い(制空値の低い)編成が出現するパターンがあることがわかります。そのため、強い編成に対しては制空権確保を取ることが難しいとしても、弱い編成に対して制空権確保を取れているかを一度確認してみるのがよいでしょう。

潜水空襲マスの弱編成は空母が1隻になり単純に敵制空値が半減するので、強編成で優勢を取れているなら弱編成は確保を取れます(制空権確保に必要な制空値は優勢のちょうど2倍なため)。

空襲マスはどうでしょうか。ラスダンで登場する7パターンのうち、1~3番目に強い編成は制空権確保を取れていませんが、潜水空襲マスで優勢だった場合は5番目、弱編成を引き確保を取れた場合は4番目に強い編成であれば確保が取れていることがわかります。

各敵編成の出現率も加味して考えると、潜水空襲マスでは約7割、空襲マスでは約5~6割(解放後数日のデータ数が多くない段階での数字を採用して計算しています)となっており、最低でもどちらか一方のマスで制空権確保を取れる確率は8割5分程度と十分に高いことがわかります。

そこで仮想的に潜水空襲マスのみ制空権確保が取れる弱編成を引き空襲マスでは強編成を引くものとして再度敵編成を制空権シミュレータに編成を打ち込むと、次のようになります。

 

各スロットの全滅率に4~6%程度の差が出ることがわかります。またボスマスでの制空権確保の確率も先ほどの85%程度から92%程度に変わっています。

こうしたことから、今回は無理に道中の強編成の制空値を基準に考えて制空値を積み増すことはしなくても良いでしょう。

さて、現段階の編成案ではボスマスの制空権確保率が92%前後で道中の敵編成によって変わる、となっていますが、この92%という値は十分高いと言えるでしょうか。

ここで制空権確保の確度を上げる方法について考えてみると、空母の火力を落とすことは避けたいので、まず第二艦隊に水戦を採用することを考えます。試しに神州丸の8機のスロットに水戦を積んでみると制空権確保の確率は98%程度と向上しました。98%と92%、そして神州丸のスロット1つ分という差をどのように評価するかは難しいので、暫定的に水戦を採用しない92%確保で検討を進めてみることにします。

優勢が取れず拮抗になる場合は弾着観測射撃が出なくなり夜偵も発動しなくなるため勝率が大きく下がりますが、確保が取れず優勢になったとしても弾着観測射撃は(発動率が下がるものの)発動可能ですし夜偵が出なくなる心配もありません。そのため、制空権確保に調整する際の航空優勢率の許容範囲は、航空優勢に調整する際の制空拮抗率の許容範囲より若干緩く設定しても問題ありません。

 

(5)各艦の装備構成を検討する

艦載機以外の装備構成も考えていきます。

ここで新たに解説する必要があるのは、まず特殊砲撃を放つ艦の装備構成をどのようにするか、ということです。

戦艦を旗艦とし、その他の諸条件を整えることで発動が可能となる特殊砲撃(タッチ)ですが、その種類や採用理由によって適する装備構成が変化します。今回は採用機会が多いと思われる対水上艦の大和武蔵によるタッチを例に挙げて検討していきますが、長門陸奥によるタッチやネルソン級を旗艦として発動できるタッチについては厳密にはこの限りではないです(が、基本的な考え方として以下で紹介する「タッチの威力倍率を最大化する」という点は共通していると考えて良いです)。また陸上型深海棲艦を含む敵に対してタッチを有効に活用して攻略する場合もあります。

先に装備例を示すとこんな感じ。

 

 

タッチを使用する場合、最初にその火力補正を最大化できるような装備構成を考えます。上の例では徹甲弾・測距儀を各艦に積んでいるので十分ですね。

また、大和型はタッチの火力補正を最大化しつつ、連合艦隊で第四陣形を選んだ際反航戦の昼火力キャップに届くことが可能です。画像例では武蔵が若干届いていないので、主砲を46改ではなく51cm系統のものに変更するのが良いです(私の手持ちだと代案が無改修の試製51cm連装砲になってしまい火力差が小さいので46改にしました)。反航キャップを超えて主砲を積み増すことも完全に無意味というわけではありません。しかしこの海域では制空をしっかりと取れておりボス戦の砲撃戦2巡目で弾着観測射撃を打てるメリットが大きいので、偵察機を積みましょう。大和改二重は瑞雲系統でも良いですが、全滅率が高いので不採用に。また副砲を採用している理由ですが、これはタッチそのものに関係しているものではありません。主砲/徹甲弾/副砲と装備すると貴重なキャップ後補正である徹甲弾補正を積み増すことができて有利であることや、対空CIの発動が可能となること、さらにこの海域特有の理由として、Sボートへの命中率が(PT小鬼群と同様に)副砲を積むことで上昇すると思われるという大きく3点のメリットが存在しています。

海外偵察機の装備特効判明後は、副砲ではなく偵察機を2個積むことも選択肢に入ってきました。

 

例①や②と重複する部分は割愛し、第二艦隊の神州丸と宗谷の装備構成を考えます。

道中1戦目と2戦目を無対策で抜けるのは難しいと考え、対策として煙幕を一方のマスで使用したいです。神州丸には発煙装置が載らないので宗谷に積みます(別形態の宗谷は照明弾が積めるなどできることが増えますが、装甲値が低くなるのとコンバートが面倒なので不採用にしています)。

初戦でも2戦目でもフラソが出現することから、雷撃命中を抑えるために3重煙幕を張りたいです。そこで宗谷の3スロを全て煙幕に使い可能な限り3重煙幕が出るようにします。3スロすべてに発煙装置を積むとこのようになりました。2重が21%出るようですが、発煙装置をさらに積み増すかどうかは微妙なところです。

 

 

神州丸の役割を考えます。神州丸が持てそうな役割としては、

 ・対潜

 ・夜戦装備(大型探照灯など)

 ・ボス戦の制空補助

 ・Sボート対策

 ・ボス夜戦での割合ダメージ

このうちSボート対策は基地や支援、本隊の大和型でも一応行っていますが、万が一第二艦隊の砲撃戦まで残ってしまうと倒す手段がなく攻撃を吸われ、閉幕雷撃まで全く敵が減らないということになりかねないので非常に厄介です。

対潜は、レベリングや対潜改修が進んでいない場合、先制対潜に3~4スロを使うことになってしまうのが気になります。また煙幕を張るマスで対潜攻撃をしてもほとんど当たらないことも考えるとメリットが薄そうです。

ボス戦の制空補助は、上で検討したように、水戦を1機積むという選択肢があります。

夜戦装備は大型探照灯と夜偵を積むことができますが、私の艦隊では神州丸はLv125未達のため大型探照灯のみ検討します。

ボス夜戦で旗艦に割合ダメージを入れる可能性を考えると、夜戦連撃が可能な装備構成にするのも良い選択肢でしょう。PT対策はメリットが少ないと書きましたが、こちらの役割と自然に両立できることを考えるとナシではないでしょう。

このように考えると、神州丸の装備は次のようになりました。

PT対策として強力な装備かつ夜戦連撃ができることを満たし、さらに余ったスロットに探照灯を積んでいます。AB艇は改修により対PTの火力補正倍率が伸びることを買っての採用。機銃より強力であり、火力面では見張員にも勝ります。また、水戦も対PTで採用価値のある装備。ボス戦での制空にも関与でき無駄がないです。反航戦や中破といった条件が重なってもSボートを対処可能になっているはず。

 

艦隊全体の装備はこんな感じ。夜偵は矢矧に持たせ、照明弾は載せる場所がなかったので不採用に。宗谷や第一艦隊の揚陸艦は、可能なら増設を開けてダメコンを持たせると良いでしょう。また空母は砲撃火力を優先して2隻とも射程超長としましたが、タッチの出るタイミングが遅れると被弾が増える可能性などを考えると、1隻だけ超長とするのも良いでしょう。

矢矧の増設は水雷司令部を積んでいますが、Sボート対策を考えて見張員にしても良いかも。

 

 

(6)艦隊の並び順を検討する

例②までと被る内容は割愛。

空母を2隻とも射程超長とする場合は、必要に応じて砲撃戦1巡目の同射程の行動順の検証情報を参照しましょう(ここでは深く触れません)。1隻のみ超長とする場合は3番艦に置くのが良さそうです。

画像は(5)からほぼ変わらないので省略。

 

(7)支援艦隊を組む

決戦支援は反航戦のナ級eliteやト級flagを意識して組み、命中を盛ってSボートも対策したいです。私の艦隊では支援主砲が弱いことも考え大和型を採用することに。検討過程は省略し編成例だけ示します。

Sボートは本来回避・運のステータスが不明ですが、撃沈率をイメージするために仮想的にステータスを設定しています。

 

道中支援はフラソが怖いので対潜支援。潜水空襲マスでの制空状態が基本的に厳しいため、装備があれば調整するのもアリですが、1戦目を考えると例②で示したような編成が無難でしょう。

 

(8)実戦での留意点を確認する

タッチの発動は選択陣形がトリガーとなっています。大和タッチの場合は道中通常戦は第二陣形で抜け、ボスで第四陣形です。

煙幕は初戦か2戦目のどちらで使うか決めていませんでしたが、敵軽空母の砲撃命中も下げられる2戦目の方が良いでしょう。ただし初戦はフラソが1隻のパターンと3隻のパターンがあるので、陣形選択の前に確認して、もしフラソ3隻を引いていたら初戦で煙幕を使ってしまっても良いでしょう。

cond値についてはどうでしょうか。E6-3は初戦が手強い潜水マスとなっていて、初戦からキラ状態で臨みたいです。また道中で安定してS勝利を取ることは難しく、cond49で出撃した場合、ボスまで行ってもキラ状態にならないこともあるでしょう。ここは事前にキラを付けるのが良さそうです。

一般的に、初戦が手強い海域や道中の多くのマスで安定してS勝利が取れない海域では、cond49での出撃が効果的でないことが多いです。

 

〇編成構築例③ まとめ

E6-3では陸攻の選び方や大和タッチの基本的な装備構成の意味、補助艦艇の装備の考え方などを紹介しました。

大まかな流れと新たに追加したポイントをまとめると以下の通りです。

 (1)攻略に使用するルートを選定する

 (2)使用する艦娘を決める

 (3)基地航空隊を編成する

    ・・・陸攻の選び方を考えて刺さる基地を組む

 (4)制空状態を決める

    ・・・ランダムな敵編成に注意する

 (5)各艦の装備構成を検討する

    ・・・特殊砲撃の威力倍率を最大化する

       補助艦艇にもしっかり役割を持たせる

 (6)艦隊の並び順を検討する

 (7)支援艦隊を組む

    ・・・Sボートに当てる支援を組む

 (8)実戦での留意点を確認する

    ・・・cond49出撃の弱点を理解する

 

 

全体のまとめ

ここまで3つの具体例を通して編成を考える過程を示してきました。全体のまとめとして、重要な点を確認したいと思います。

 

まず、編成を考える際は検討事項の順番を意識する必要がありましたね。攻略に使うルートを選ばなければ、採用する艦は決められません。原則として順番を守って検討を進めていき、ミスが発覚したら適切な段階に戻ってそこから再開するのが効率的です。

 

またボスを倒しきる確率を上げるという最終的な目的に沿って検討を進めることも重要でした。どの艦のどの装備がどの敵を対策していて、編成全体の中ではどういった機能を担っているのかを明確にすることで、戦闘内容をコントロールし、ボスを撃破する確率を高めるという目的に近付くことができます。これは他の目的、例えば「資源効率よく周回する」とか「撤退率を下げる」といった目的を持って編成を検討する場合にも応用可能でしょう。この記事の大部分は、この「目的に沿って検討する」ということが具体的にどういった内容を含んでいるのかを詳細に説明するために書かれています。

 

具体的なイベントの攻略編成を考えていく中で、育成や改修が進んでいないために実現が難しい案を思い付くこともありましたね。艦これ、特にイベント海域のラスダンは、個人レベルの出撃回数で1つ1つの装備構成の良し悪しを判断していくことが難しいです。そのため、今より勝率を高めるにはどういった知識が必要だったのか、さらに言えばどの艦をどれだけ育成し、どの装備をどれだけ改修していればなお良かったのかということに気付くのも難しいです。しかし、あらかじめ正しい知識を持ち、装備や艦がどのように機能して戦闘が進行していくのかを理解することで、育成や改修の重要性を感じることができ、効果的に艦隊強化を行うことができるようになります。

 

余談 ー編成の「コピー」についてー

ここまで敢えて触れてきませんでしたが、イベントの攻略編成は必ずしも全て自分で考える必要があるわけではありません。各攻略サイトやブログ、SNS上などで公開されている編成を参照し、似た編成を組んで攻略する、というやり方もあります。

では、なぜ私はここまで「1から編成を作る」ことにこだわってきたのでしょうか?

それは自分で考え編成を作ることで、どうすればもっと良い編成が組めるか、さらに言えば、イベントを快適に攻略するためにはどの艦娘をどのくらい育成しどの装備を改修すればいいのか、ということを強く実感できるようになるからです。そして普段の艦隊運用を通じたイベントへの対策がより効果的なものとなり、長期的にイベントをより快適に攻略できる方向へ進んでいけるようになるでしょう。

また、一口に「編成をコピーする」と言っても、自分自身では到底思いつかないような編成をよく理解せず真似るのと、意図や方針を自分なりに汲み取って消化するのでは大きな差があります。イベントを快適に攻略したいと考えるなら、時には他人の知恵を借りながらも、知識を増やし、経験を積んで自分自身の編成構築力を向上させていくことが最も確実な方法です。

 

「編成構築力」とは

さて、この記事の冒頭で、イベントの快適な攻略のためには突破率の高い編成を組むことが重要でありそれを実現するのが「編成構築力」だと言いましたね。そしてイベントにおける編成構築力は、敢えて簡潔に言い換えれば、「ボス撃破率を高める方法を思い浮かべる力」であると言えるでしょう。編成構築力とは極めて創造的な性質を持っているものなのです。そして私が述べてきたような一種のテクニック的な「編成の考え方のポイント」は、編成構築力のアウトプットとして言語化され創造的な性質を失った断片に過ぎない、という見方ができるでしょう。

ではそのような具体的な編成の考え方のポイントを知るのは無駄か?と言えば、もちろん決してそうではありません。なぜなら編成構築力の創造的性質は、大量の知識と経験の存在に裏付けられているからです。編成構築力とは、各人がもともと持っている才能のようなものではなく、実際にプレイし、勝ち、そして負け、結果を受け止めて自分なりに考えることで次第に上手く使えるようになっていく武器だからです。

私自身の経験や知識に裏付けられた断片を皆さん自身の経験、知識に加えていただく、という風に考えれば、この記事を通して私自身の編成の組み方・考え方を皆さんにお伝えしたことの意義をご理解いただけるでしょう。

 

さいごに

最後に、このような長く読みにくいであろう文章を最後まで読んでいただいた皆さんに感謝申し上げたいと思います。

また勝手ながら画像を掲載させていただいた制空権シミュレータ、作戦室の管理者様に厚く御礼申し上げます。

 

皆さんのイベント海域突破を祈って!